みなさん、インドといえばどんなイメージをお持ちですか?
至るところに寝そべっている牛や、雄大なガンジス河、スパイスが効いたカレーライス…といったイメージも強いのではないでしょうか?
私はこれまでに42カ国を訪れましたが、こんなにもカオスで刺激的な町はインドのバラナシ以外に知りません。
たかのてるこさん作の『ガンジス河でバタフライ』にも描かれた、インドの都市バラナシ。
バラナシはインドを訪れる多くの旅人が必ずといっていいほど訪れる町ですが、清潔な環境で育った日本人が初めて訪れると衝撃を受ける光景ばかりの刺激的な町です。
ガンジス河のそばでは火葬される人々の死体が横たわり、飲み水や生活水に使われるのと同じ河の水で洗濯をする人々、そしてガンジス河にぷかぷかと流れるいくつもの動物の死体。
そこには日本では感じることのない真っ向からの『生と死』があります。
今回は、そんなバラナシの魅力や体験してほしい5つのことについて“旅らび.com“よりみなさんに詳しくご紹介します。
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【まず..】バラナシってどんな都市?

バラナシは、インド北部に位置する国で人口120万人を要する都市です。
ヒンドゥー教の聖地とも呼ばれており、インド国内外からも数多くの人々が訪れます。
バラナシはインドの中でもディープな場所とも呼ばれており、「インドらしさ」を感じることができる場所です。
バラナシでは、観光というよりも文化を肌で感じたり、様々な人と触れ合い生と死に向き合う体験をすることができます。
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バラナシで体験すべきこと①:ガンジス河でボートに乗船

ガンジス河は、インド内を流れる全長約2,500kmにも及ぶ大河。バラナシに行ったなら、ガンジス河に行くのは必須!
おすすめは、早朝か夕方にボートに乗船しひとときを過ごすことです。
ここからは、私が実際に行ったボートツアーについてご紹介します。
まずは、宿泊しているゲストハウスで事前にボートツアーに申し込みます。
現地に直接行って船乗りさんと交渉することもできますが、交渉に労力がかかったり、不当に高い金額を要求される心配があったりすることがあります。そのため、事前にゲストハウスと提携しているツアーに申し込むのがおすすめです。
当日は4:30に起床し、船乗りさんが宿まで迎えに来てくれるのを待ちます。
一緒に船が繋がれているところまで向かい、朝日が昇る前ぐらいに船に乗りこみます。

雄大なガンジス河を眺めつつ、朝日が昇る時を静かに待ちます。
そしていよいよその時が。

ガンジス河から眺める朝日は燃えるように赤く、一瞬も目を話すことができないほど美しい光景でした。

船乗りさんに「船を漕いでみたいんだけどいい?」と尋ねると、「いいよ」という返事が。
一見簡単そうに見えましたが、実際に漕いでみると想像以上に難しい!
私がオールを持った途端に船はなかなか進まなくなり、船乗りさんの職人技を実感しました。
バラナシで体験すべきこと②:ガンジス河で沐浴
『ガンジス河でバタフライ』というエッセイが書かれた影響もあってか、バラナシでは日本人がガンジス河で沐浴している様子を見かけます。

また、ガンジス河で沐浴すれば、これまでの罪が洗い流されると言われているため巡礼者やインド人も多いです。
現地の人と一緒になって泳いだり、中には河の水を飲むのにチャレンジしている方も。

実際、現地のこども達にとってガンジス河は格好の遊び場であり、洗濯屋さんにとっては仕事場であり、現地の方にとっては生活用水でもあります。
いろんな目的を兼ねているのが、このガンジス河なんですね。
しかし、ガンジス河には人の死体や動物の死骸、洗剤などが混ざり合っているので、あまり綺麗とは言えません。
ガンジス河での沐浴は旅好きの中でも一種の憧れではありますが、安全には十分注意してほしいと思います。
バラナシで体験すべきこと③:バラナシの火葬場に足を運ぶ
ガンジス河のほとりには、いくつか火葬場があります。
中でも有名なのが『マニカルニカー・ガート』です。
このガートでは、休むことなく遺体が焼かれています。
インド人はその多くがヒンドゥー教徒です。
彼らにとって、その神聖なる河に還ることは名誉でもあります。
『火葬が行われ、ガンジス河に流し、自然に変える。』
その様子をバラナシでは間近で見ることができます。
日本でも火葬が行われますが、私達は中の様子までを見ることはありません。
しかし、バラナシのガートでは火葬が見ることのできる範囲内で行われ、火葬の際には頭部や足が隠れきらず見えていることもあります。
衝撃的なその光景と人が焼かれているなんともいえない匂いには、驚きを隠すことができませんでした。
このようにバラナシでは、常に生と死というものを日々ひしひしと感じました。
ちなみに火葬場での写真撮影は禁止されています。神聖な場なので、撮影は控えるようにしましょう。
バラナシで体験すべきこと④:インド名物ラッシーを飲んでクールダウン!


インドの名物といえば、『カレー』と『ラッシー』です。
ラッシーとはヨーグルトベースの飲み物で、いろんな果物を追加することができます。
灼熱のインドでは、ラッシーが好んで飲まれており、旅人にとっては体をクールダウンできるありがたい飲み物です。
バラナシにはラッシーが美味しいお店がいつくかあるのですが、今回はそのうちの1つをご紹介します。

バナラッシー(ソナズショップ)は、ソナさんというインド人が経営しているお店です。
ソナさんは日本人や日本の文化が大好きで、お店の中には日本語で書かれた書籍や漫画、雑貨などがたくさん置かれています。
店内にはファン(扇風機)があり、涼しい店内でゆっくりとラッシーを飲むことができます。
インドでは、ぼったくりをしてきたり、執拗にお店に勧誘してくる人がいるので最初は日本語を匠に話すことができるソナさんのことを初めは警戒していた部分がありました。
しかし、話をしているうちにソナさんが本当に人懐こく親切な方だということがわかり、それからはインド滞在中何度も足を運ぶほどになりました。
町の喧騒から離れてゆっくりしたくなったときは、是非バナラッシーを訪れてみて下さい。
名称 | バナラッシー(Bana Lassi) |
住所 | D-19/30-B, Bengali Tora, Varanasi, India【MAP】 |
営業時間 | 8時半~22時 ※現在は閉業しています。 |
バラナシで体験すべきこと⑤:牛と人だらけ!な旧市街を歩いてみよう


バラナシの旧市街は、迷路のように路地が入り組んでいます。
砂ぼこりが舞う道路に、大量のリキシャーに、インド人、至るところに寝そべる牛たち。
そこには、とにかくカオスで刺激的なバラナシ旧市街の姿があります。


ヒンドゥー教では牛が神様として崇められており、バラナシの町を歩いているとそこかしこに牛をみかけます。
ときには、その大きな姿で道を塞いでいることも。
インド人たちはさも当たり前かのように隙間を通り抜けていますが、最初に見たときにとても驚きました。


旧市街には、野菜やフルーツなどの量り売りや、日用品を販売しているお店、カレー専門のレストランやチャイ屋さんなどいろんなお店がひしめき合っています。
ぶらりと歩いて町を散策してみましょう。
バラナシで体験すべきこと⑥:バラナシの映画館に行ってみよう

文化の違いを感じたいときは、映画館に行ってみましょう。
運が良ければ、日本で上映前の映画を見ることができる場合も!
今回訪れたのは、PDRというショッピングモールの中にある映画館です。
暑いバラナシでは、クーラーががんがんに効いた映画館は天国のように感じます。
インドの映画館の基本的な情報
インドでは映画館によって値段が変わります。
日本の場合はどこの映画館で見ても値段に違いはありませんが、インドでは変わってくるんですね。
また、シートの位置によっても値段が異なり、後ろの席は料金が高く、スクリーンに近い前の席は料金が安く設定されています。
私は500円ほどで後ろの席をとりました。
字幕は、基本的に英語です。
インドでは17もの言語があると言われていますが、多様な言葉を使うインド人たちの共通言語のひとつとして重要な役割を果たしているのが「英語」なんです。
インドはイギリスに植民地支配されていた過去があるため、インド国内の多くの地域で英語が使われています。
文化の違いによるインド独特の映画マナー
映画の前にはインドの国家が流れ、全員が立ち上がります。
日本でいえば、「君が代」が流れ、全員が起立するような状況です。
インド人の国への忠誠のようなものを感じる瞬間でした。
また、インド映画は上映時間が長いのが特徴です。
例えば、興行収入歴代No.1を記録し大ヒットした『きっと、うまくいく』というインド映画の上映時間は2時間50分。
一般的な映画に比べて非常に長いことがわかります。
そのため、インドの映画館では途中に休憩が入ります。
この10分~15分ほどの休憩の間にお手洗いに行ったり、ポップコーンやジュースを買いにいったりします。
映画が終わりエンドロールになると、インド人は一斉に席を立ち余韻は全くありません。笑
そんなところもインドらしさを感じることができます。
名称 | PDR |
住所 | D 48/142, Luxa Road, Near Sri Basdev Baba Mandir, Sidhgiribagh, Varanasi, Uttar Pradesh 221001 インド【MAP】 |
営業時間 | 9:00~23:00 |
実際に行った私が思うバラナシでの注意点
さて、最後にバラナシを旅する上で絶対に知っておくべき注意点についてお話します。
注意点①:訪れるなら酷暑の時期は避けよう!
バラナシは酷暑と言われる4月~6月になると、日中の温度は45度を超えます。
露店で購入した水はすぐにぬるま湯になり、この環境でずっと暮らしインド人でさえも熱中症で倒れる人が続出します。
もし酷暑の時期に訪れるときは、水分補給をしっかりとし、熱中症や脱水症状には十分注意しましょう。
また、宿泊する場所に扇風機(ファン)やエアコンがあるかどうかは事前に必ず確認しておきましょう。
注意点②:夜遅い時間には絶対に出歩かないこと
「当たり前のこと」と思われるかもしれませんが、インドではとても重要です。
インドはレイプ事件が絶えず、多くの女性が被害にあっています。
また、バラナシは特に細い路地が多く、夜暗くなってから出歩くと道に迷う危険性が高いです。
女性はできるだけ男性と一緒に歩いたり、夜間は外出しないということを徹底しましょう!
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まとめ
バラナシでは日本ではなかなか経験することのない環境や文化を体験することができます。
最初は道をふさぐほどの牛やあふれかえる人々、衝撃的な光景の数々に驚くかもしれません。
しかし、バラナシほどカオスで生と死が入り交じり、自分自身と向きあうのにぴったりな場所は他にないと思います。
この記事を読んでバラナシ旅行に興味を持った方、ぜひバラナシでここでしかできない体験をしてきてください!
