仏教発祥の地インド。
現在のインドでは仏教は衰退してしまい、山岳部ではチベット仏教を信仰する僧院が多くあるものも、インド全体を見ると仏教徒が非常に少ないです。
しかし、ブッタの故郷であるインドには、古典仏教の聖地が多く残っています。
その中の一つ、サーンチーの仏塔遺跡群を訪ねたのでその内容を”旅らび.com“にて詳しく紹介していきます。
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【まず..】デリーやムンバイからサーンチーへ行くには「ボパール」を経由する必要があります
サーンチーへ行くには、まずは近隣都市のボパールに行く必要があります。
デリーやムンバイなどの主要都市からフライトや電車で行くことが可能です。(フライトが格段に楽なのでおススメです)
ボパールは小さめの都市ですが、田舎ながらの温かさのある都市で、とても過ごしやすく感じました。
そんなボパールからサーンチーへはローカルバスで移動します。
ボパールのバス停からサーンチーまでは大体90分ほどです。
チケットの事前予約の方法は分かりませんが、日中は定期的にバス停が運行されているので、バス停に直接行って、ボパールに行きたいと言えば、すぐにバスを見つけることが出来ます。
バス停についたら、看板に従って10分くらい歩くと世界遺産の入り口に到着します。
途中にチケット売り場があるので、忘れずに入場チケットを購入してください。
チケットがないと、せっかく入り口まで行っても戻って買い直さないといけません。
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【インドの世界遺産】サーンチーは仏舎利が保管された仏塔群で今は観光用の公園になっています!
サーンチーは、原始仏教の中で最も大切な聖地の一つです。
紀元前3世紀に、当時のアショーカ王が8万を超えるストゥーパ(仏塔)を建てたと言われますが、サーンチーには8つの仏塔を建てました。
アショーカ王の建てたストゥーパのほとんどは、仏教の衰退と共に老化して崩れたり、破壊されてしまいました。
しかし、サーンチーでは現在でも3つが残っています。サーンチーのストゥーパの周辺は森林で覆われ、他宗教からの侵略を免れたのだろうと言われます。
忘れられたストゥーパは、19世紀に入ってからイギリス人に発見されました。
その後、1989年には、世界遺産として登録されました。
ストゥーパ(仏塔)とは、ブッダの骨(仏舎利)を保存する為に建てられた塔です。
サーンチーに残っているストゥーパは、丸いドーム型の珍しい建築です。
最も有名な第一ストゥーパは円形の大きなドーム
現在残っている3つのストゥーパは、第一ストゥーパ、第二ストゥーパ、第三ストゥーパと呼ばれています。
最も大きくて有名なストゥーパは第一ストゥーパです。
大きさは、直径が36.6m、高さが16.5mあります。
この第一ストゥーパは紀元前3世紀ごろに作られたものですが、紀元前前後に増拡されました。
2000年以上前の建物が、ほとんど完全な状態で残っているのは、すごいですね。
ストゥーパの4方に建てられたトラナ(門)も見どころ
ストゥーパを囲む4つの門はトラナと呼ばれます。
ストゥーパ本体よりも新しく、1世紀前半に建てられてと言われています。
トラナは、ブッダ誕生前後のストーリーの掘られた彫刻で覆われています。
森の精霊であるヤクシー女神の彫刻はとても美しいづつくしいです。
半球のドームはレンガで覆われていて、てっぺんには長方形の台、3段の傘があります。
周囲には2重に玉垣があり、4方に神社の鳥居のような門があります。
サーンチーの仏塔遺跡群はとても綺麗に整備されており風情は感じにくいかも…。
インドで世界遺産に選ばれた場所は、どこも本当に美しく整備されています。
私のイメージしていたサーンチーの仏教遺跡群は、何世紀もの間、忘れられていた遺跡が、田舎の森の中から出てきた、考古学的なロマンのある場所です。
忘れられた遺跡の風情は感じにくく、とても美しく整備された公園の景色は少し残念でした。
しかし、多分あたったであろう草木が伐採されて、見通しが良くなったことで、遺跡群全体に残っている遺跡全体が見通し良く見れるのは良かったです。
第一ストゥーパの周りには、沢山の細かな遺跡があり、5世紀ごろに建てられたお寺や、7世紀ごろの僧院の土台の部分が残っています。
何世紀も忘れられていたストゥーパですが、少なくとも僧院の合った時代の頃までは、その場所で実際に仏教が信仰されていたのは感慨深いです。
現在ではほとんど敗退してしまったインドの仏教がどのようなものったのか気になります。
サーンチーの仏塔遺跡群でピクニックを楽しみました
インドの世界遺産は、外国人料金は高いですが、インド人はとても安く入場することができます。
そのためか、あまり遺跡には興味なさそうな子供たちが走り回っていました。
第一ストゥーパを上から眺めることの出来る丘の上には、原形の分からない古代の遺跡があり、その中でサルが遊んでいます。
野生のサルは狂暴なので、手を出すこはやめましょう。
しかし、観光に来た人たちが、のんびりと休憩をしている中で、自然とサルもくつろいでいる光景はとても平和で癒されました。
丘の上には小さな売店があり、スナックやチャイ(ミルクティ)、ちょっとしたお土産も買うことが出来ます。
チャイ(ミルクティ)で一息入れている方が多かったです。
観光旅行は忙しく移動に追われていることが多いですが、一通り見ても先を急がずに、ゆっくりと遺跡を眺めながら屋外でお茶を飲むのはとても贅沢な時間でした。
サーンチーは、遺跡以外は何もない小さな集落で、夜は真っ暗になってしまうため、出来れば夕焼け前には宿に帰りましょう。
サーンチーの仏塔遺跡群を訪ねたついでに「ボパール」も散策してみましょう!
サーンチーのストゥーパの周辺には他に観光スポットは無いのですが、
旅の起点になるボパールには見どころがいくつかあります。
ボパールでは見逃せないタージウル・マスジット
アジア最大のマスジットと言われているタージウル・マスジットは絶対に見逃すことの出来ないスポットです。
マスジットの横は大きな池になっていて、水面に映る偉大なマスジットは絶景です。
昼にも夜にも白く輝く石材で作られているため、1日中いつみても美しいです。
私が訪れた時には、建物の内部の半分が修復作業中でしたが、半分では多くのグループが結婚の儀式を行っていました。(マスジットには男性のみが集まって儀式をして、花嫁さんとは別の場所で結婚式をするそうです。)
一つのグループに質問をしていたのですが、たまたま訪れた私にも、スイーツをくださいました。
とにかく広大で美しい建物。観光地ではなくて、地元の人たちが礼拝に訪れる神聖な場所ですが、何度でも訪れたくなるくらい美しかったです。
ビルラー寺院(ヒンドゥー教)でも温かく迎えて頂きました
大きな寺院ではありませんが、丘の上にあるビルラー寺院からはボパールの景色を眺めることができます。
寺院の横には小学校があり、外国人が珍しいのでかなり長い間子供たちに囲まってしまいました。どこに行っても日本は大人気で嬉しいです。
寺院の中でも、僧侶に話しかけると温かく受け入れてくれました。
こちらも地元の人が日常的に参拝に訪れる寺院で、観光地とは言いにくいのですが、
インドの人々の信心深さを感じることの出来るスポットです。
ビルラー寺院の横には小さな美術館があって、ヒンドゥー教の古い石像を見ることが出来ます。
サーンチーとボパールはとても穏やかな時間の流れる素敵な場所でした…。
仏教遺跡のサーンチーは、現在では観光地になってしまっていますが、ボパールにあるイスラム教のタージウル・マスジットとヒンドゥー教のビルラー寺院は沢山の信者が訪れる場所です。
現在のインドの信仰を感じることの出来る良い旅でした。
仏教の聖地の中ではとても大切な場所ですが、すっかりと信仰の対象から忘れられてしまったサーンチー。
仏教発祥の地インドでの、現在の原始仏教の姿が見れて貴重な体験でした。