旅行の体験談

生と死の象徴である聖なる河『ガンジス川』で人生について考えてみる。

インドで最もインドらしい場所と言えば、バラナシをイメージする人も多いと思います。

聖なるガンジス川の沐浴で有名です。

インド人にとってガンジス川は聖なる川であり、生と死の象徴でもあります。

ガンジス河はヒマラヤ山脈から続き、約2500Kmの長さがあります途中で多くの川と合流します。

そして、ガンジス河沿いには多くの聖地が存在します。バラナシもガンジス河沿いの聖地の一つです。

今回は、そんなガンジス川で人生について考えてみたことについて紹介していきます。

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ガンジス川の聖地の一つ『バラナシ』へは鉄道かフライトが一般的です

ほとんどの方が首都デリーを拠点にバラナシに行きます。

鉄道で行く場合はニューデリーから約15時間くらいかかります。

夜行列車の旅なので、寝台のシートを取って行くことが多いでしょう。

途中の駅に停車するたびににチャイ屋の男の子が入ってきて「チャーイチャーイ」と声を出しているので、あまり深くは寝れないかもしれません。

しかし、これぞインド!という体験ができます。時間に余裕があって、インドらしい旅を楽しみたい場合には、鉄道はとてもお勧めです。

短い時間でぱっと楽しみたい場合には、やはりフライトがお勧めです。

デリーから約1時間半のフライトでバラナシ空港に到着します。

また、フライトの旅は鉄道に比べて格段に安全で快適です。電車移動は常にスリなどの犯罪に巻き込まれないように気をつけなければいけないので、フライトだと気持ち的にも本当に楽です。

空港からはバスもありますが、オートリキシャーかタクシーが便利です。

宿は、ガンジス川沿いだと日の出や夕焼けのガンジス川の散歩に気軽に行けます。

しかし、かなり混沌としたエリアなので夜まで騒がしいです。高級ホテルは静かで快適に寝れますが、ガンジス川まではオートリキシャーなどで移動しなくてはいけません。

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ガンジス川沿いのガートを歩いてみる

バラナシは、真夏でなくても昼間は日差しが強くて体力を奪われてしまいます。散歩に出かけるには朝か夕時がいいでしょう。

ガンジス川沿いは、ガートと呼ばれる階段になった沐浴場が続いています。

階段に腰かけてチャイを飲みながらガンジス川を眺めている人、クリケットを楽しんでいる子供たち、サドゥ(ヨガの出家僧)とその周りに集まる信者たち、おのおのが好きなことをしてのんびりと時間が流れています。

ガンジス川沿いには沢山のチャイ屋がいるので、散歩の途中でぜひ飲んでみましょう。

チャイ屋の周りには、いつも何人かの人が集まっています。

長期滞在の外国人、外国人が珍しくて話しかけたい子供たち、サドゥ、学校帰りの子供たちと片言の英語で話したり、同じように旅をしている人と情報の交換をしたり、チャイをのんでいると知らない人同士が自然に仲良くなれます。

ガンジス川は”人が亡くなって帰る場所”なんです

ガンジス川はヒンドゥー教の人にとって聖なる川です。

人々が亡くなると火葬されて灰になってガンジス川に流されます。

バラナシにはおよそ84のガートがありますが、その中でもマニカルニカー・ガートは、火葬場として有名です。

とても神聖な場所ですが、とてもオープンな場所でもあります。

マニカルニカー・ガートの火葬場の近くでも、人々が石鹸で身体を洗いながら沐浴し、子供たちが遊んでいます。死体に供えられていた花を牛が食べて、カップルが仲良く座っておしゃべりを楽しんでいます。

日本では「死」というものは、出来るだけ日常生活から見えないように隠されて、人が亡くなる場所も、火葬される場所も閉ざされた場所で行われます。

しかしインド、特にバラナシでは「死」がとても身近なものとして存在しています。

あまりにもあっけらかんと死が存在しているバラナシでは、「生とはなにか」など考えさせられることが多いです。ネガティブではなくて、生活の一部の中に自然と存在しています。

もちろん、火葬場では、近しい人とのお別れで泣いている人も目にします。それさえ自然に、ガートの日常として存在しています。

家族に見守られながら火葬される人もいれば、自分の死期を悟って死ぬために一人バラナシに来る人もいます。マニカルニカー・ガートの近くには、死を待つ人が滞在できる施設があり、末期がんの人などがそこで時が来るまで過ごします。

死を待つと言うと途方もない時間に聞こえるかもしれませんが、大きなガンジス川のゆったりとした流れを眺めていると、ついつい時間がたつのを忘れてしまい、ここで過ごす時間は悪くないのかもなと思ってしまいました。

バラナシ『ガンジス川』の朝日とボートからの夕日はとても美しい…!

さて、バラナシの観光での定番と言えば、手漕ぎのボートです。

朝日の見える時間から乗ることができます。朝は一日で最も空気が澄んで心地が良いです。

最も人気があるのは夕時です。

日が暮れる時間になると、毎日ダシャーシュワメード・ガートで大きなお祈りが行われます。神様に捧げる歌と、火を使ったお祈りが捧げられます。

ガートの階段に腰かけて見る人もとても多いですし、ボートも毎日大人気です。

夕時以外では、ガンジス川の対岸に行くルートも人気があります。

対岸は、砂地でほとんど人がいません。

ガートがある側は、所狭しと建物が並び常に人があふれているため、何もない対岸は全く別の場所のようです。

ガンジス川で沐浴しますか?

ガンジス川の巡礼が好きな私は、どこへ行っても必ず沐浴をしますが、初めて訪れる日本人にとってバラナシでの沐浴は少しハードルが高いです。

実際に、ガンジス川で沐浴をした方が、激しくお腹を壊した話も聞きます。

ガンジス川は聖なる川ですが、人々の生活と生を全て受け入れます。

生活排水が流され、ガンジス川の中で石鹸を使いながら体を洗う人がいて、毎日沢山の人がお供え物の鼻やランプを流します。トイレにもなり、薪が足りなくて燃え切らなかった死体も流されます。

ガンジス川の水質汚染はインドの深刻な問題の一つですが、信仰心の強い人々は今でも聖なる川として沐浴をして、修行僧の中にはガンジス川の水を飲む人もいます。(100%お腹を壊すので、絶対に真似しないでください。

ガンジス川沿いの集落はインドそのもの!

メインのダシャーシュワメード・ガートから少し入った周辺は観光客向けのお店が多く有名です。

バックパッカー向けの最も安いゲストハウスもこの一帯に集まっているため、外国人もとても多く、お店の人たちは英語を話せます。

この一帯は、細い道が複雑に入り込んで、慣れていないと迷いやすいです。

外国人向けのリーズナブルな土産屋さんや、バックパッカー向けの安宿もこの辺りに集まっています。

最近は減ってしまいましたが、日本語や韓国語を話すインド人もいて、日本食がメニューにあるカフェも多いです。(味は全く違いますが)

とても細い道に人とバイクと牛がいるので、すれ違うのが大変なことも。

あまり衛生的でなく、臭いも気になりますが、そのゴタゴタした雰囲気がインドらしい場所です。

少し離れたアッシガートの周辺には、もう少しお洒落なカフェや、少しだけ小ぎれいなホテルがあります。ビーガンのカフェなども何件かあり、西洋人がとても多いエリアです。

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まとめ

バラナシは、本当になんでも有りな場所です。

生と死、西洋人と現地人、神聖なものと汚いもの、全てが当たり前のように受け入れられて、とても器が大きいです。

人が集まる喧騒で疲れることもあれば、昼間のガンジス川沿いやボートの上ではとても穏やかな時間を過ごすことも出来ます。

私たちの常識では計り知れない、インドならではの体験ができるバラナシはとてもお勧めです。