とっても素敵な中世ヨーロッパ建設のお寺なのに、中に入るとインドのお寺。
そんな変わった場所がベルギーにありました。
ラダデーシュと呼ばれるお寺は、ベルギーにある「世界一小さな都市」として有名なデュルビゥイの近くにあります。
今回は、ラダデーシュに1週間滞在したのでその様子や魅力を“旅らび.com“よりご紹介します。
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ブリュッセル空港から車で1時間半、ラダデーシュはとても個性的な場所
知人に招待されて、ベルギーにあるラダデーシュと呼ばれるヒンドゥー教寺院に行ってきました。
日本からブリュッセル空港ヘは、フィンエアーでヘルシンキ乗り換えのフライトが快適でしたが、今回はインド・ムンバイからだったので、スイスエアーでチューリッヒ経由で行きました。
ブリュッセル空港からは車で1時間半くらいです。
高速道路に乗ると、すぐに田園風景に変わり、のどかな風車を眺めながら移動しました。
途中からは民家さえほとんど見当たらない牧地が続きます。
人よりも牛や馬が多く目につき、車もとても少ないです、
日本では、かなり田舎に行かないと見れない光景ですが、ベルギーではブリュッセルからほんの30分も離れずにのどかな風景に出会えます。
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ラダデーシュはインドのお寺と言っても、外観は立派な西洋のお城です
私は事前の知識がなく、ベルギーにインドのお寺があるよ!とだけ聞いて行ったのですが、到着したのは思わず女子がキュンキュンしてしまうような美しい西洋のお城でした!
お寺と言っても、王様が住んでいたわけではないのですが、その土地の領土が住んでいたそうです。
建てられたのは11世紀。立派な歴史的建造物ですね。
お庭もとっても美しく整備されていて、お城の横には近代的なカフェ、ベーカリー、お土産屋さんと、ギャラリーがありました。
中は中世の建築のままで”インドの神様”がいます
外観は本当にヨーロッパのお寺ですが、正面入り口の前にインドの神様の彫刻が2つあります。
階段を上がって中に入ると、女子なら全員ときめいてしまうだろうピンクを基調とした内装の広間です、大きなシャンデリアがとってもゴージャスです。
インドの聖人の銅像や神様の絵画が複数飾れていますが、どちらも西洋的な美術なので、お城のヘリテージな内装に違和感なく溶け込んでいます。
広いエントランスの扉を開けると、いくつかの部屋があり、1番奥がお寺になっています。
部屋ごとに壁の色が違います。どのお部屋も、本当に豪華で素敵。
ヒンドゥー教の団体が買い取った時には、内装がかなり傷んでいたそうですが、壁などの装飾は全て原形を残した状態でリフォームしたそうです。
奥のお寺に祭られているのはクリシュナ神と恋人のラーダ。
この部屋だけ、大きな祭壇があって、お寺っぽい雰囲気になります。
この部屋では1日に7回のお祈りが行われます。
クリシュナは約350着の衣装を持っていて、毎朝のお祈りの集いに衣装を変えるそうです。ベルギーなので、しょんべん小僧の着替えを思い出してしまいました。
ヨーロッパ貴族のゴージャスさと、インドの神様が一体となった空間はとっても個性的でした。
国内の観光スポットとしても有名で、小学生たちが先生の引率で訪れていましたよ。
お城の横にあるゲストハウスも快適
今回は、1週間ラダデーシュに滞在しました。
お寺の並びにゲストハウスの建物があります。こちらでは、一般の人も泊まれるそうです。
部屋はとっても清潔でシンプルでした。
一人で泊ったのですが2段ベッドが2つある4人部屋でした。
もちろん部屋は掃除が行き届いて清潔。何よりも、窓から見える緑が美しい。
こちらのお部屋は一般の方にも公開しているそうです。
ヨガのクラスも同じ建物内であるようなので、気になる方にはお勧めです。
インド料理に見えて、辛くない!野菜たっぷりの贅沢ご飯
外観はとってもお洒落なヨーロッパのお城ですが、中はインドのお寺。
食事に関してはとても厳しいルールがあります。
食べ物に関するルールは下記の3つです。
- 完全なベジタリアン。卵を含めてあらゆる肉製品が禁止。
- アルコール禁止。ノンアルコール飲料は自由。
- 刺激性の食べものは禁止。香辛料も控えめで、カフェインフリー。
これだけ見ると、せっかくベルギーまで行って、肉もビールも駄目なんて最悪!
と思うかもしれませんね。
実際に私も、このルールを聞いた時にはけっこうショックでした。
しかし、実際に行ってみると本当に食事が美味しくて、常に大満足でした。
ベジタリアンだけど野菜たっぷりで美味しい食事
ヨーロッパは野菜の値段が高めなので、外食が続くと野菜不足になってしまいがちです。
もちろん、野菜をたくさん使った料理を頼めばいいのですが割高です。
ラダデーシュでの食事は、これでもか!!というくらい野菜をふんだんに使った食事が提供されています。
豆やミルクを使った料理も多く、ベジタリアン食でもたんぱく質がしっかりと取れるバランスの良い食事。
一応インド料理として出されていますが、ヨーロッパの人に合わせて油とマサラ(香辛料)は極力少な目。
ほとんど素材の味を生かしたシンプルな味付けだったので、インド料理というよりも、西洋風煮込み料理でした。
インド料理は油が合わない私も、美味しくて毎日食べすぎてしまいました。
アルコールは駄目だけど、ノンアルビールはあります!
ベルギーと言ったらビールの国。そして、ヨーロッパと言ったら、ワインが合う街並み。
それなのにアルコールが禁止なんて、とてもショックでした。
しかし、カフェテリアには複数の種類のノンアルビールとノンアルコールワインがありました。
ちょっとビールの味がするだけで、実際には酔えないのんですが、それでも美しすぎる環境で飲むと幸せな気分になります。
刺激性の食べ物が禁止。辛かったのは、カフェイン抜き
今回はインド人の知人と行ったのですが、食事に大満足の私と違って、インド人の知人は日に日に不満が溜まっていました。
生まれた時からインドの食文化に慣れ親しんでいる人にとって、唐辛子抜きの食事はかなり酷です。
結局、3日目くらいに唐辛子のパウダーを手に入れて、それを食事にかけて食べていました。食文化って面白いな、と思いました。
私は、食事には全く文句がなかったのですが、コーヒーを飲めないのがけっこうつらかったです。
デカフェ(ノンカフェインコーヒー)があるので味覚的には満足なのですが、日常で毎日カフェインを飲んでいるので急にカフェインを抜いたら一日中眠たい。
インドではティータイムに必ずミルクティーを頂くのですが、紅茶もないのでハーブティーです。
普段、どれだけカフェインに支配されているのか実感させられました。
刺激物が禁止なだけで、嗜好品はオッケー。ベルギーのミルクで作った美味しいケーキは本当に幸せでした。
観光地巡りでない旅のすすめ
今回の旅は、観光地はほとんど行かずに、一箇所に滞在する1週間でした。
旅行に行くと、ついつい欲張って、いろいろな観光地を見たいと思うかもしれません。
しかし、数時間の滞在では、そこに住んでいる人たちの生活や文化を深く知ることが出来ないですよね。
ラダデーシュも有名な観光地で、私が滞在している間にも沢山の観光客が訪れていました。
しかし、どうしても数時間の滞在の観光客に対しては、みんなよそよそしかった気がします。
ほとんどの人が、日常を忙しく過ごして、休みの日に貯金を使って旅に出ますよね。
せっかくの旅だから詰め込みたい!というもの本当によく分かりますが、せっかくお金と休みを費やしたのだから、究極にのんびり過ごそう!と思うのもありだと思いました。
ラダデーシュでは、牛を見ながら朝食を食べる時間も、綺麗に整備されたお庭でサクランボを取る時間もとっても貴重です。
こんな、リラックス系の旅もとってもお勧めです。