旅行の体験談

ガンジス川の源流を求めてヒマラヤの聖地ゴームクに行ってきました!

ガンジス川と言えばバラナシのガンジス川が有名です。

ガンジス川は生と死の象徴でもあり、北インドの人たちは亡くなると火葬した灰をガンジス川に流します。

そのために、老いて死期を悟ると死ぬためにバラナシに行き、死が訪れるのを待つ人もいます。

私も幾度となく訪れていますが、インド人(主にヒンドゥー教徒)にとってガンジス川は最も神聖な川です。

さて、そんなガンジス川の源流を求めて私はゴームクに行ってきましたので、その体験談を”旅らび.com“にて紹介していきます。

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【まず..】ガンジス川の出発地点ガンゴートリーへの道は過酷です!

【陸路限定】バスかタクシー、陸路でしか行けない秘境

ガンジス川の出発地点として知られる聖地をガンゴートリーと呼びます。

多くのインド人が、死ぬまでに1度は訪れたいと考え、夏季には多くの人が訪れます。

ガンゴートリーへ向かう道のりは、今現在でも過酷なものです。ガンゴートリーは標高3000mの高地にあります。

ゴームクに行くためには、同じくガンジス川沿いの聖地であるリシケシかハリドワールからバスかタクシーで行きます。(電車などはありません。)

【季節限定】ゴームクへの道は夏季のみ解放されます…!

ヒマラヤの高山地にあるガンゴートリーへの道は、冬の間は通行止めになってしまいます。

理由は、とても険しい山道を進むため雪道が危険だからです。

例年5月中旬に道が解放されます。また、6月以降の雨季にも頻繁に道が閉鎖されます。

山道はとてももろく、毎年雨季にはがけ崩れなどで何度も道が閉鎖されます。

自然災害によるものなので、バスの出発地点のリシケシまで行ってみないと分かりません

リシケシからは、通常途中のウッタルカーシー(標高約2000m)で1泊する人が多いです。リシケシからウッタルカーシまでは約9時間です。

この先、非常に荒々しい高山の山道が通常続くので、途中で停まって標高などに慣れた方が得策です。

 

チャーターの車や一部のバスでは直でガンゴートリーまで行くことも可能ですが、かなり体力的に過酷です。

出来れば途中で一泊することをお勧めします。

ガンゴートリーに到着したら、早めに宿を探しましょう。

ネット環境がほとんどない場所なので、事前の予約は難しいです。

宿を見つけることは難しくないのですが、電気の供給が非常に不安定なので、ホットシャワーが浴びれないことが多いです。

電気ない時のためにロウソクが置いてあることも多いですが、小さな懐中電灯などがあると安心です。

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ガンゴートリーからゴームクへは徒歩で向かいます!

ガンゴートリーはお寺の周囲に簡単な下宿やレストランがあるだけの小さな集落です。

高山地で野菜は遠くから運ばれたものしかないため、鮮度の良い食事はなくて、値段も少し高めです。

お寺も大きくはないですが、沢山の人が参拝に訪れます。

源流に近いガンジス川はとても冷たく、流れが速いです。

ガンゴートリーの集落の裏の方にゴームクへの参道があります。

入山は許可が必要で、ガンゴートリー内のオフィスで入手が可能です。

標高標高3,042mのガンゴートリーから標高標高3892mのゴームクまでは徒歩で行かなくてはいけません。

距離的には20Km程度ですが、スタート地点から標高3000mを超えるため、少し歩くだけでもすぐに息が上がってしまいます。

ゴームクへの道のりはかなり長いので、覚悟した方がいいかもしれません。

道も舗装が充分でない場所が多く、実際に落石などで亡くなる人もいます。

どうしても徒歩で行くことが難しい場合は、ロバで行くことも可能です。

出発地点から4時間くらい歩くとチルバーサーと呼ばれる休憩所があります。

チャイ(ミルクティ)やビスケット、毎日マギー(インスタントヌードル)を提供しています。

近隣には松の木が生い茂っていて、日影がありがたいです。

ゴームクへの道のりは3000メートル以上の高山地ですが日差しがとても強くてかなり汗をかきます。

Tシャツでも暑く感じるくらいなので、日陰で休める時には出来るだけ休んだ方が良いでしょう。

チルバーサーを抜けると、一気に景色が変わって、荒涼とした山の中の道が続きます。

足元も乾燥した砂地が続き、左手には荒々しいむき出しの山肌が続きます。

乾燥した斜面は非常にもろく、くれぐれも落石には注意しなくてはなりません。

過酷な巡礼中のサドゥ(出家修行僧)との出会い

ゴームクは神聖な場所なので、多くのサドゥ(出家修行僧)も歩いて巡礼しています。

同じ方角に向かって歩くため、途中で1組のサドゥたちと親しくなりました。

その中の一人は、サイレント・サドゥでした。何年もの間一言も言葉を発することなく過ごしていると、一緒にいたサドゥが教えてくれました。

そのような伝統的な修行者と道中を一緒に出来るのも魅力です。

標高3792m地点にボージュバーサというキャンプがあります。

ここで一泊して、翌朝ゴームクに向かう人も多いです。

私はせっかちなので、そのままゴームクまで一気に向かいました。

キャンプからゴームクまでは約2時間。

最後はかなり荒々しい岩道が続きます。

源流は美しくダイナミックな氷河の絶景を拝むことができました!

私が訪れたのは5月半ば。ゴームクへの参道が開通して直ぐでした。

6月以降になると、氷河が完全に溶けてしまいます。

ゴームクから湧き出る水は約0度。気温はとても暖かいので、冷たい水がとても気持ちいいです。

 

ゴームクは「牛の口」という意味です。

水が氷河から出てくる様子を、水を吐き出す牛の口に例えたようです。

ゴームクの奥には、シヴァリンガと呼ばれる標高6000m以上の山が見えます。

ゴームクの荒々しい岩肌と、奥に見える白い雪山のコントラストはとても美しいです。

ゴームクから湧き出る水は泥で濁っています。しかし、ガンジス川の水にはバクテリアが多くいて、その水を飲むことで免疫力が上がると言われます。

インドで生水は基本怖いのですが、ゴームクの源流は頂きました。

歩いてくることでクタクタになってしまいましたが、たどりつけた時の感動はとても大きかったです。

ゴームクへ行った後はボージュバーサでベースキャンプするのが一般的です

さて、ガンゴートリーからゴームクまでは当然電灯などない山道なので、ボージュバーサと呼ばれるベースキャンプで1泊することが一般的です。

ボージュバーサにはいくつかのキャンプがあり、1部はインド人しか泊まれませんが、外国人が泊まれるキャンプもあります。

たしか、食事付きで300ルピーくらい支払った気がしますが、高山病と疲労で記憶が曖昧です。

部屋と言っても、1畳半くらいのスペースで、ワラが引いてあるうえに布が敷かれているだけでした。のみが怖いので、持参した薄手の寝袋にくるまりました。

食事はシンプルで、野菜はジャガイモだけだった気がしますが、それでも誰かがここまで運んでくれたと思うと心からありがたく感謝しました。

キャンプからゴームクは見えませんが、視界にはヒマラヤと青空しかなく、とても広大な景色と澄んだ空気が味わえます。

ゴームクではなくガンゴートリーへ行くだけでも良いと思います

話は変わりますが、実はほとんどのインド人はゴームクまで来ずにガンゴートリーを目指してきます。

ガンゴートリーも源流の湧き出るポイントではありませんが、ガンジス川の始まりの地として有名です。

一節では、古代のサドゥ(修行僧)がガンゴートリーを見つけた時には、そこがガンジス川の始点であったとか。何千年も前のことなので、今では分かりません。

リシケシを起点にして、北のヒマラヤ山脈にはヒンドゥー教の聖地が4つあり、チャールダームと呼ばれています。どこも標高3000m級の非常に高地にあります。

つい最近、ナレンドラ・モディ首相もチャールダームの一つであるケダルナートを訪れました。

経済発展の激しいインドでも、人々が伝統を大切にしていることは本当に嬉しいです。